離婚を考えている時、探偵事務所に浮気調査を依頼した方が良いケースがあります。
配偶者の浮気が判明したり、慰謝料を請求できる証拠が集まると、ご自身に有利な条件で離婚の手続きを進められる可能性があるからです。
また、配偶者から突然離婚を切り出された場合も、浮気調査をした方が良い場合があります。
今回は、探偵事務所に依頼すべきケースや依頼する前にすべき準備、弁護士との違いなど詳しく説明します。
探偵に依頼すべきケース
離婚を考えている時、どのような時に探偵事務所に浮気調査を依頼すべきなのでしょうか。
ここでは5つのケースをご紹介します。
①配偶者の浮気が疑わしい時
②証拠が集まらない時
③配偶者が浮気を認めない時
④突然、離婚を切り出された時
⑤慰謝料を請求された時
①配偶者の浮気が疑わしい時
もしかしたら配偶者が浮気をしているかもしれない、と思っている方は探偵事務所に浮気調査を依頼すると浮気の有無がわかる可能性があります。
浮気をしていない場合は、浮気調査をしていたことすら伝えずに離婚の手続きを進めることができますし、浮気をしていた場合は、慰謝料を請求できる可能性があります。
②証拠が集まらない時
配偶者の浮気はほぼ確定しているものの、確実な証拠が集まらない場合も、探偵事務所に依頼をした方が良いでしょう。
裁判で有効な証拠とは、パートナーと不倫相手に肉体関係があることを証明できるものです。
証拠となる写真などに相手の顔や建物がしっかりと写っていること、複数回の不貞があったことを証明する必要があるため、長時間の張り込みや準備などが必要になります。
また一般的に浮気とみられる行為でも、裁判では認められないことがあるので注意が必要です。
証拠となるもの・ならないものを確認しておきましょう。
浮気の証拠となるもの
- パートナーが浮気相手の自宅に出入りする写真や動画
- パートナーが浮気相手とラブホテルに出入りする写真や動画
- パートナーが浮気相手と肉体関係があったことがわかる音声
浮気の証拠とならないもの
- ボディタッチやキスなどをしている写真・動画
- 「好き」「愛してる」など恋人らしいLINEやメッセージのやりとり
③配偶者が浮気を認めない時
決まった曜日だけ帰りが遅い、女性とのLINEのやりとりを見つけた、など明らかに浮気を疑う事実があっても、仕事やただの友人ということで浮気を認めないケースがあります。
配偶者の浮気が原因で離婚手続きを進めたくても、確実な証拠がなければ言い逃れされてしまい、泣き寝入りするしか方法がなくなってしまいます。
相手がなんと言おうと言い逃れできないような浮気の証拠があれば、有利に離婚の手続きを進められるでしょう。
④突然、離婚を切り出された時
重大な理由もなく、突然離婚を切り出された場合は、本当の意図が隠されているかもしれません。
浮気がバレる前に離婚をしてしまい、浮気相手と一緒になろうと考えている可能性があるからです。
もし、探偵に依頼をして浮気の証拠(=不貞行為)が見つかれば、離婚原因を作った方である「有責配偶者」からの離婚請求はできないことになっています。
後から浮気をしていたとわかっても手遅れになるケースがありますので、こういったケースも探偵事務所の調査に頼った方がいいと言えます。
⑤慰謝料を請求したい時
配偶者の浮気が原因で離婚を考えており、慰謝料請求までしたい場合、裁判で認められる有効な証拠が必要になります。
慰謝料とは、離婚によって受けた精神的苦痛を補償する損害賠償のことで、離婚原因を作った相手に請求できるものです。
裁判で有効な証拠とは、パートナーと不倫相手に肉体関係があることを証明できるものです。
証拠となる写真などに相手の顔や建物がしっかりと写っていること、またそれを得るための長時間の張り込みや準備などが必要になります。
また探偵業務を行うには専門的な知識と技術が必要となります。
正規の探偵事務所は「各都道府県の公安委員会に探偵業務の届出」を行っており、「法律の範囲内」で証拠を集めます。
浮気調査を自分で行うとなると、かなりの労力がかかってしまうため、探偵に浮気調査を依頼することは大きなメリットといえます。
また慰謝料請求には時効が設けられており、パートナーの不貞行為(浮気)を知り、かつ浮気相手が特定された時から「3年以内」となっているため、早めに動くことをおすすめします。
探偵に依頼する前にしておくべき準備
探偵に浮気調査を依頼する前に、事前準備をしておくとよいでしょう。
準備をすることで費用を抑えることができたり、必要最小限の時間で効率的に調査を進めることができます。
どのような準備をすればよいのか詳しくみていきましょう。
できる限り情報を集めておく
効率よく証拠を集めるには、ある程度パートナーの行動パターンや浮気相手の情報を把握しておきましょう。
浮気の日時や場所に目星がついていれば、調査の計画も立てやすく、ピンポイントで調査ができるからです。
ただし、情報を集めていることがパートナーや浮気相手にバレてしまっては意味がありませんので、無理なく集められる範囲の情報を、探偵に伝えておくことをお勧めします。
調査の目的を決めておく
浮気調査の目的によってかかる時間や費用は大きく変わります。
「ただ浮気の有無を知りたかったのに、長時間にわたり調査をしてしまい高額になってしまった…。」
「しっかり調査して欲しかったのに、簡単な調査のみで終わってしまったうえに追加料金がかかってしまった…。」
というズレが生まれてしまうと、お金を無駄にしてしまいます。
何のための調査なのか、目的をはっきりとさせてから探偵に依頼するようにしましょう。
探偵事務所をいくつか比較してみる
探偵事務所によっては、同じ内容でも調査期間や費用に違いがあります。いくつかの探偵事務所を比較することで、自分にあった調査内容や費用感が分かるでしょう。
中には依頼者の悩みにつけ込んだ悪徳な業者もありますので、注意が必要です。
こちらの記事では、浮気調査の費用相場や探偵社を選ぶときのポイントについて詳しく解説しています。ぜひ参考にしてください。
探偵が行う調査の内容
探偵はどのように調査をするのか、想像がつきにくい方が多いと思います。
「違法な方法で調査を行なっている?」など心配されるかもしれませんが、探偵業務を行うためには、「各都道府県の公安委員会に探偵業務の届出」を行う必要があります。
その為、探偵は「法律の範囲内」で調査を行なっています。
そして、探偵業務として法律で認められているものは、尾行・張り込み・聞き込みの3つになります。
尾行
探偵といえば尾行をイメージする方も多いかもしれません。調査対象者の行動を追跡することで、浮気・不倫の証拠となる情報を収集します。
いつどこで何をしていたかを証拠に収めることができるため、慰謝料を請求する裁判などで利用できる調査報告書としても、かなり有効的に利用できます。
対象者に気づかれないよう、複数人で人を変えながら追跡することが多く、徒歩や交通機関、車両など様々な手段を使いながら、必要な時に写真や動画の撮影を行います。
張り込み
尾行をしている調査対象者が建物に入った場合、少し離れたバレない場所で、再び出てくるまで待機します。
浮気相手とホテルや自宅に入り、どのくらいの時間経過したのかを知ることができます。
数十分で終わることもあれば、数時間に及ぶケースもあり、また時間帯や天候も問わないため、かなりの集中力と忍耐力を必要とします。
聞き込み
調査対象者の周りの人物に対して、電話や対面での聞き込みが行われます。
対象者についての話を引き出すには、聞き込みを行う相手からの信頼を得る必要があり、調査員はしっかりと丁寧な対応をすることが求められます。
聞き込み相手に被害が生じなければ、自身が探偵であることを名乗る必要はありませんが、公務員・警察・ある企業の職員などになりすましたりすることは違法性が問われる可能性があります。
浮気の証拠を集めたら弁護士に相談
浮気の証拠が集まり、離婚や慰謝料請求の手続きに進みたい場合は、弁護士へと相談する流れになります。
証拠を集めてくれた探偵事務所にそのまま依頼できないのか、と思う方もいるかもしれませんが、法律上、業務の範囲が異なります。
探偵事務所の業務内容は、「探偵業法」に定められている「聞き込み・尾行・張り込み」となっており、離婚の手続きや交渉はできません。
弁護士は、法律に関する問題を取り扱う専門家です。離婚手続きで発生する、「相手との交渉・内容証明郵便の作成/送付・裁判の手続き・慰謝料請求」を行います。
反対に、弁護士事務所では探偵業務は行いません。
そのため、パートナーの浮気による慰謝料請求を検討する際には、まず探偵事務所に調査を依頼し、弁護士に離婚や慰謝料請求の手続きを依頼するという流れになります。
まとめ
今回は、探偵事務所に依頼すべきケースや、依頼する前にすべき準備、弁護士との違いなどを説明しました。
「離婚をしたいけど浮気の証拠がない」「突然離婚を切り出されて怪しい」と感じている方は、浮気調査をすることで有利に離婚の手続きを進めることができる可能性があります。
自分の力で裁判に有効な浮気の証拠を掴むのは容易なことではありません。
パートナーとの離婚を考えているが相手の浮気の可能性が拭えないのであれば、浮気調査のプロである探偵に調査を依頼することを検討してみてはいかがでしょうか。